「ごめん」 ……………え? 佐々木…断ったの? 思わずホウキを握る手に力がこもる。 こんな静かなところで聞き間違えることなんてありえないよね… ………でも、信じられなかった 奈々ちゃんと佐々木が付き合ったら、誰も文句が言えないくらい完璧なのに…! 奈々ちゃんもOKをもらえると思っていたのか、動揺を隠せないようすで。 「えと…だめなところとかあったら…直すから、言ってくれないかな」 奈々ちゃんは視線を横にずらして、艶のある髪を耳にかけ直した。