舞う風のように





突然、目が冴えた気がした。
周りの景色がいつもよりも鮮明に見える。


迫ってくる刃がゆっくりになって見える。




手足は縛られているのに、不思議と大丈夫という確信があった。





土方を思いっきり睨み付ける。

「俺に……俺に、触れるな。」









視界が一瞬輝いた気がした。










「てめっ目が…うわっ!!」



突如土方が吹き飛び、後方の壁へと勢い良く衝突した。







…なんなんだ?



「はぁ…はぁ…。」



特別何をしたってわけでも無いのに、異常に息が上がっていた。




ゆっくりと立ち上がり息を整える。

いつのまに解けたのか、手足は自由になっていた。






「…どう言う事だ?」



近くに落ちていた土方の刀を拾い上げる。



周りには誰もいない。土方を吹っ飛ばす事が可能な者はこの部屋には居なかった。




「解せぬ…訳がわからん。」




土方は気絶したようで、起き上がる様子はない。






ほっと息をついた。



訳が分からない。
この超人的現象は自分での理解は不可能だろう。




「…まぁ、それで助かったのだから良しとしておこうか。」