舞う風のように




「…答えられねぇのはなんでだ?いくら否定していようが、てめぇは長州の会合にいた。
…無駄な足掻きはやめろ。俺の仕事が増える。」


土方は、もう殆ど全身が血に染まった葵にもう一度刃を向けた。


「情報を言え。さもなくば…殺す。」






新撰組は、容保様の信用に足る集団なのかもしれない。
新撰組の名に相応しい集団なのかもしれない。

敵に対しては容赦なく、仕事に情は持ち込まない。





( だが、俺はそれに従うつもりはない。)



俺の仕入れた情報を言ってやってもいい。

だがこれは容保様の為の情報。誰よりも先に容保様のお耳に入れるべき情報。




(俺は生涯、容保様に尽くすと決めた。)



どうせ人間なんぞ、信用に足らん冷たく悪質な下等生物だ。



だが、容保様だけは違う。

暖かく光のようなあのお方は、表情を無くし能面のようだった由紀に日向を見せてくれた。






だから…



迫ってくる刃を睨み付ける。

縛られた手足に力を込めた。





(俺はまだ死ぬわけにはいかないのだ!!)