舞う風のように

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「早く着き過ぎましたね。」


由紀は苦笑した。

予定の時間より一時間も早い。




「あ、じゃあ甘味を食おう。」


すかさずそう言った小野寺。
「相変わらずですね」と由紀は溜息をついた。



「…あんた、いい加減肥りますよ。」



そこは軽く聞き流しながら、小野寺はある一点を指した。





「…あ、あんなところに甘味所が。」





「あんた最初からそれが目的だったんですよね…。」



心の中で呻いた。


忘れていた。こいつの甘党をなめてはいけなかったのだ。