そこで、土方は声を張り上げた。




「よって、新選組の人数を二つに分けて、調べていく。近藤局長には、鴨川を境に西、俺が東を受け持とう。」







「今日は体調不良で、動けない隊士が多い。そのせいで動かせる隊士はかなり減っちまう。キツイかもしれねえ。無理をしろとは言わねえが、我慢してくれ。」





土方の言葉に、幹部一同。皆頷いた。





その時、ずっと黙っていた近藤が口を開いた。




「では、歳。俺の方は隊士は10人で良い。残りの隊士は歳が連れて行け。」



その言葉に土方が、真っ先に反対する。




「近藤さんっ、そりゃーいくらあんたでも無茶だ。」



「いや、大丈夫だ。…その代わり、俺は総司、永倉くん、藤堂くん。それに武田、谷、浅田、安藤、奥沢、新田の十人で行く。」




そう言い切ると、土方は諦めたように溜息をついた。




「…わかった。じゃあ、それ以外の者は俺について回れ。」



土方の言葉に皆が頷いた。







そして、土方は山南の方を向いた。





「山南さんには、万一に備え屯所を守って貰いたい。」



「ええ、分かりました。」