舞う風のように

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俺たちはいま、小野寺の部屋で向かい合って座っている。

気配を探ったところ、ここには俺たち以外には誰もいない。





「…で、状況を説明する。」



はいっと、返事をした。



「会合の話は聞いたか。」



「はい、さっき宮間さんに。詳しい事はあんたに聞けと言われました。」



小野寺は、少し考え込んだ。


「…そうか。尊皇攘夷派の志士達が今、何を企んでいるか知っているか。」



知らないな。



「俺の聞いた話に寄れば…。」









《 祇園祭の前の風の強い日を狙って御所に火を放ち、
その混乱に乗じて中川宮朝彦親王を幽閉し、
一橋慶喜・松平容保らを暗殺し、孝明天皇を長州へ連れ去る 》