少し落ち着いてきた。 「もう大丈夫。」 私はそういって佐野くんから離れた。 「なんで泣いてた?」 「それは…」 「俺の前で泣くなよ 俺、困るんだけど……。」 そうだよね。 私が泣いたら佐野くんは迷惑になるよね。 「ごめんっ!!」 私はそういって、撮影所ではなく反対方向の学校へ走った。