この間までは気持ちよく聞こえたセミの声も最近ではうっとうしく感じるようになった。


夏真っ盛り。


その言葉がとてもぴったり当てはまる時期だ。


私は居間ですいかを食べていた。


おばあちゃん家の畑で採れたすいか、お隣さんからもらったすいかと今、家にはすいかが二つもある。


そして二つとも大きい。


スーパーでは見たこともない大きさだ。


なのでおかげですいかざんまい。


さすがに飽きてきたが、家にあるので食べざるおえない。


「あ、美柑。よく食べれるね~すいか。」


宙にいが居間に入ってくるなりそう言った。


寝癖がすごいから今起きたばっかだろう。


もう、十一時だけどね…


「うちだって疲れたよ、すいかには。でも東京ではこんなの珍しいから、今食べれるだけ食べようと思って。」


「そっか~、でも俺は来年もこのすいか地獄に付き合うんだぜ。ホントいやになっちゃうよ。」


「地獄って…だったら私がまた来るよ。」


「お、マジ!だったら俺の分全て美柑にあげるよ。」


「はぁ?!全部なんて食べれないよ。宙にいのは、宙にいが食べてください。」


「はーい。分かりました。美柑様。」


宙にいがからかう。


「もう…」


一息ついて私はまたすいかを食べ始めた。