そこにいたのは…拓真だった。


「あれ?君…今日も来たんだ。」


私が近くに行ったのでむこうも気付いたみたいだ。


「また会いましたね…」


そう言って拓真の2メートルほど隣に座った。


「毎日来てるんですか?…」


「そうだね。このところずっと…夏休み入ったし……」


拓真はふわぁっとあくびをした。


会話が続かない……


この流れでだと次は私だよね?


「そうなんだ」とか「へぇ」とか言った方がいいの!?


言おうって思っても口から出ない。


時が経てば経つほど言いにくくなってしまう。


「ねぇ。」


「は、はいっ!!」


突然拓真が口を開いたのでビックリして変な声が出てしまった。


「どうして髪茶色いの?」


拓真が無表情で尋ねてくる。


見つめているんだか、睨んでいるんだか分からない目付きが怖かった…


「えっと…」


私がもごもごしてると拓真がまた尋ねてきた。


「あっ、もしかしてそっちの学校、染めるのOKなの?」


「いえ、違います。」


「んじぁ、ダメじゃん。校則違反でしょ~」


「知ってます!!」


「あらま。美柑って不良?」


「不良じゃないです!!」


この人の言い方なんかムカつく。


でも嫌じゃない…


「色々あったんです…」


「そ。」


何も聞かないでくれたのが幸いだったが、また会話が続かなくなった。