ゴールデンウイークの今日はいつも以上に混んでいた。


ハルとはぐれないように手をギュッと握る。


向こう側にある雑貨屋に行くため横断歩道の前で待つ。


楽しみで小さく足踏みをする。


「あはは、もう青になるよ。もうすぐだって。」


ハルの言葉に微笑みかえす。


♪~♪~♪~


青になったのを音で知らせてくれる。


待っていた人たちが前へどんどん押し寄せる。


「あっ……ハル!!」


たくさんの人に押されてハルと繋いでいた手が
引き裂かれるように離れてしまった。


人混みにまぎれてハルの姿が見えなくなった。


「ハル! ハル!!」


精一杯の声を出してもかき消されてしまう。


前に進みながらもハルを探す。


その時だった――



ドンッ!!!!!



ものすごい大きくてイヤな音がして―――


目の前が真っ暗になった……