先生「皆さん、寒いからといってポケットに手を入れたまま歩行はいけませんよ。怪我をしてしまいますから。」

佐藤「先生、片手ポケットはいいですよね?」

先生「片手でも駄目です。いざ片手を使わなくてはならない時にどう対処するのですか。事故に繋がり周囲の人・ご家族に迷惑をかけてしまいますね。ですのでポケットでなく、手袋をしてください。それでは帰りの会を終わりにします。皆さん気を付けて下校するように。学級委員長さん号令を。」

学級委員長「起立、礼。」

「さようなら。」




「下校」




長い帰りの会が終わると、教室から出る者と残る者に分かれる。
私はどっちかというと中間なのかなあ。
居ても居なくても同じで曖昧な存在だから。


私の席は窓側の一番後ろにある。物語の主人公によくありがちなポジションであるが、私も彼らみたいにイケてて、存在感のある主人公だったら良かったのに。

なんて戯言を抜かしながら学校を背に向け、普段通り1人でとぼとぼ自宅に帰るのであった。