【完】月唄-TsukiUta-『短編』



あたしは、何かが弾けたような
気持ちになって


気がついたら口ずさんでいた。


「月影の中で紫黒の蝶は
 ひらりひらりと孤独に舞って
 闇夜に消え行く月を追いかけ」


そこで、ギターの音は止まった。

「お客さん、この曲好きなの?
 俺も、今のフレーズ好きなんだ」

微笑む少年に勝手に言葉が出た


「名前!!名前、なんていうの?」


少年はきょとんとして言った。


「俺は、蓮!!お客さんは?」

あたしは、微笑んで言った


__________RaLa