【完】月唄-TsukiUta-『短編』




蓮は目を見開いて言った


「だから、声。綺麗だったんだね」


ただただ愛おしそうに空を見上げた。


あたしは、どうすることもできなくて


「蓮は、まだ帰らなくていいの?」


とっさに聞いていた。


蓮は言った。


「俺には帰るとこなんて
 どこにもないから」


悲しそうな瞳にあたしは考えた