ピピピピピピ...
「ふぁ〜っ!今日も1日がんばろう!」
目覚ましの音で起きた私は洗面所へ行き顔を洗う
リビングへ行くとお母さんが朝ごはんを作っていた
「詩おはよう」
「おはようお母さん!」
お母さんは私が3歳のときにお父さんと離婚して、ここまで女手一つで育ててくれた
優しくて、ときにちょっぴり厳しいお母さん
私はそんなお母さんが大好きだ
親戚ともそんなに関わりはなく、お母さんは1人でつらかったこともあっただろう
お母さんの性格上、「つらい」とは決して言わないけどね
「今日も純也くんと学校行くの?」
「うん」
私には昔からの幼馴染がいる
栗原純也という名前だがこの名前は全国の女子高生が知っていると言っていいほど。
なぜかというと純也は........
ガチャ
「おい詩、なにのそのそ朝ごはん食ってんだ。早く準備しろ 学校行くぞ。おばさんおはようございます」
「あら 純也くん!おはよう」
「え?は?まだ7時だよ?」
いきなり入ってきたかと思えば.....
私たちの学校はここから電車で20分ぐらいで着く。そう急いで家を出なくても充分間に合うのに!
「なんで今日はそんな急いでんの?」
しかも今気付いたけど、純也私服だし
「今日はレコーディングがあるから、朝ついでにお前を学校に送っていこうと思っただけ。だから今すぐ準備しろ」
.......それなら昨日の夜から言ってくれればよかったのにー!!
そう、私の幼馴染純也は今大人気のグループDearのメンバーなのだ
「もう...分かったよ、じゃあ今から着替えてくるね」
私たちは同じ学校に通っている
でも私は普通科で純也は芸能科だ
普通科と芸能科は棟が離れているからほとんど関わりはないけど、純也の人気は学校でもすごい
毎日靴箱やロッカーに数え切れないほどのプレゼントや手紙の数々....そして休み時間の呼び出し....
でもみんなが惚れてるのは表向きの純也!外見は爽やかボーイだけど中身は超超超ドS!
だから幼馴染の私と私のお母さんとDearのメンバーだけが裏の素顔を知ってるの。
