『綾香、逃げるなよ』
『に、逃げるに決まってんでしょ?』
私の貞操が危ないじゃない!
『俺はずっと綾香の事が好きだったんだ。鷹になったのは俺の為なんだろう?』
今だバサバサと羽音をさせながら私のそばにいる飛翔にチラリと視線を向けると、真剣な顔をした飛翔がそこにいた。
『私の事を?』
『あぁ。ずっと好きだったんだ。小さい頃からずっと綾香だけを見てきた』
『………』
そんな事を言われても…。
私だって飛翔の事は凄く好き。
でも、それは『愛してる』ではない---
ゴメン…、
そう言おうとしたところで、私の頭を撫でる手に驚き身体をビクンと強張らせた。



