「綾香、何でこうなったんだ?」
『ピェー、ピェー』
”朝起きたら、いきなり鷹になってたの!”
そう言いたいのに…、人間の言葉が出てこない私はすぐにうな垂れてしまった。
これでは蓮に、何も伝わらないじゃない---
「はぁー…、飯でも食うか?」
全く会話が成り立たない事を諦めた蓮は、深い溜息一つ吐くと私に笑顔をくれた。
そういえば朝起きてからずっと、何も食べていなかった事を思い出す。
クイクイと首を縦に振れば蓮はまた、私の頭を軽く撫でてくれた。
いつの間にか辿り着いた、寮にある蓮の部屋の扉の前。
カチャッ---
蓮の胸に抱かれたまま蓮と共に、私も部屋の中に入った。



