『紅』PV数1000000(祝)御礼企画        ~短編小説~



「綾香、何でこうなったんだ?」


『ピェー、ピェー』




”朝起きたら、いきなり鷹になってたの!”



そう言いたいのに…、人間の言葉が出てこない私はすぐにうな垂れてしまった。



これでは蓮に、何も伝わらないじゃない---




「はぁー…、飯でも食うか?」


全く会話が成り立たない事を諦めた蓮は、深い溜息一つ吐くと私に笑顔をくれた。


そういえば朝起きてからずっと、何も食べていなかった事を思い出す。




クイクイと首を縦に振れば蓮はまた、私の頭を軽く撫でてくれた。




いつの間にか辿り着いた、寮にある蓮の部屋の扉の前。




カチャッ---


蓮の胸に抱かれたまま蓮と共に、私も部屋の中に入った。