『紅』PV数1000000(祝)御礼企画        ~短編小説~



「取り合えず、俺の部屋に行くか」


え?


蓮の部屋に?



思ってもみなかったその言葉に唖然としたけれど、すぐにゆっくりと頷いて見せた。


すると蓮はクルリと進行方向を180度変え、男子寮に向かって歩き始めた。




”本当はこれから、どこかに行く予定があったんじゃないの?”





「生徒会室に行こうと思ったんだが、まぁ休日くらいはいいだろ…」



私の思っていた事を即座に分かってくれたのか答えてくれた。


そんな蓮の言葉にほっとし、そして視線を飛翔へと向ける。



いつの間にか飛翔は近くの木に止まっていて、諦めた顔でジッと私の事を見ていた。





”ごめんね、飛翔”



心の中で謝りそして、温かな蓮の胸に身体をあずけた。


ほっとする温かさにやっと安心する事が出来たなと、胸を撫で下ろす。