「取り合えず、俺の部屋に行くか」
え?
蓮の部屋に?
思ってもみなかったその言葉に唖然としたけれど、すぐにゆっくりと頷いて見せた。
すると蓮はクルリと進行方向を180度変え、男子寮に向かって歩き始めた。
”本当はこれから、どこかに行く予定があったんじゃないの?”
「生徒会室に行こうと思ったんだが、まぁ休日くらいはいいだろ…」
私の思っていた事を即座に分かってくれたのか答えてくれた。
そんな蓮の言葉にほっとし、そして視線を飛翔へと向ける。
いつの間にか飛翔は近くの木に止まっていて、諦めた顔でジッと私の事を見ていた。
”ごめんね、飛翔”
心の中で謝りそして、温かな蓮の胸に身体をあずけた。
ほっとする温かさにやっと安心する事が出来たなと、胸を撫で下ろす。



