あそこの桜もきっと緑に変わったはずだ。
脳裏には、学校ではなくあの場所の光景が思い出される。
小さい頃からあそこの桜を見て育った。
今はもう戻れぬ場所。
戻りたいとも思わぬ場所。
そして、私を抑えつけようとする大きな手。
だめだ。これ以上は………。
震える右手を左手で抑える。
傷が、疼く………。
馬鹿な私、使い物の日々。
すべては、自分のせい。