ああ、ほんとむかつく。
苛立ちを押し込めて、私は静かに扉に向かって歩く。
みんな、言葉を失って何も言えず、重たい沈黙が流れる。
そのせいか、少し長く感じる扉までの数メートル。
いやに鼓動の音が大きく聞こえる。
きっと、この人たちは自分のことを“大嫌い”だなんて、私くらいの女の子に言われたことなかったんだな。
じゃなきゃこんなに驚かないでしょ、普通。
だから、嫌いなのかも。