エレベーターに乗って部屋に向かう。
ポーンと軽い音がして、開くと同時に外に出る。
部屋は最上階で、ワンフロア全てが俺の家。
と言っても、用意されたものだけれど。
キーロック、カードキー、全てを外してなかに体を滑りこませる。
「ん……」
少しの揺れで目が覚めたのか、棗が目を開いた。
丸い大きかっ瞳が眠そうに俺を見てくる。
「綾の、匂いがする……」
寝ぼけているのか、にへらと笑って言う。
脳殺でもしたいのかと疑いたくなる可愛さだが、多少は慣れている。