「まだ、電話してないのに……」
「棗の心読んだから」
ふわっと笑う彼は、透き通って見えるくらい薄い茶色の髪を揺らし、手を出してきた。
「疲れたでしょ、おいで」
待ち望んでいた言葉。
返事はせずに、手を差し出す。
すると、大きな手が私を掴み、強引に抱き寄せた。
気付くと彼の吐息と鼓動が近く、安心する。
「棗、心葉(このは)たちは怒ってないよ」
「棗の心読んだから」
ふわっと笑う彼は、透き通って見えるくらい薄い茶色の髪を揺らし、手を出してきた。
「疲れたでしょ、おいで」
待ち望んでいた言葉。
返事はせずに、手を差し出す。
すると、大きな手が私を掴み、強引に抱き寄せた。
気付くと彼の吐息と鼓動が近く、安心する。
「棗、心葉(このは)たちは怒ってないよ」

