鬼龍から飛び出して来て、今はもう、仲間だなんていえないのに、それでもこれだけは外せなかった。
どうしても、どうしても……。
未練がましい、そう言われればおしまい。
「早く、死にたい……」
小さく、細く呟いた。
どうせ周りに誰もいないんだし、もっと大きな声で言えばよかった。
「それは困るよ」
ふいにかけられた声。
その声は、見知った声で、優しくて温かい、大切な人の声。