あいつらなら、簡単には転ばないのに。
結局は転んでたけど、でもこんな早くはないし。
本当に、どうしてこんなにも……

「弱いの?」

思考が漏れて、口に出てしまった。
「ごめん、私帰る」
そう言ったのと同時に走って出る。
階段を駆け降りて、茫然としている人の波を掻き分けて、外へと出ようと足を踏み出す。

「帰り、送る」

ふいに響いた修人の声。