目に見えているはずだ。
最悪の光景が。
「蒼?」
いつの間にか目的地に着いていたようで、レオの心配そうな顔が視界に入る。
レオとは、幼なじみだから、少しの変化にも気付いてくれる。
あの時のことを知っているから。
「…玲苑、俺今どんな顔してる?」
不安で、不安で、また置いていかれるのが怖い。
「笑えてない」
笑い半分で答えるレオ。