そう思いながらもしっかりと蒼の話に耳を傾けている。
レオはさっきどこかに行ってしまって、蒼の隣は空席だ。
「だから、ね?お姫様になったほうが安全だよ。ていうかそっちのが絶対安全だから」
真剣な顔で頑張って私を説得しようとする蒼。
くりっとした青い大きな瞳のなかに私の顔が映る。
ちらつく、ちらついて、ああ、もう。
無性に殴りたい。
いや、私をそこに映さないでほしい。
「蒼、それは無理」
安全なんて関係ないんだよ。
私に安全なんて、どこにもないのだから。