だから、答えずに修人の上をどいて立ち上がる。
いとも簡単に離れる手。
手があった頬は少し熱を帯びたが、それもすぐに冷めた。
「…ごめん。さようなら」
一言詫びを入れ、立ち去ろうと扉に向かって歩き出す。
寝不足のせいで少し回転の悪い頭を回転させ、どうしようかと考える。
正直寝足りないが、修人がいる限り寝ることはできない。
ならば別を探さないと。