そして、すっと出された手。
てっきり殴られるかと思い、反射的に目を瞑る。
しかし、待てども痛みは来ず、代わりに頬に伝わる熱。
殴るのではなく、私の頬に添えられた手。
それに対して堪まらず言う。
「あんたは、総長なんでしょっ」
私の言葉には全く動揺せずに、目元を細める修人。
「私は、殴ろうとしてんのにっ」
「ああ」
「あんた、なんでそんな平然としてんのっ」