あの調子ならもう、顔合わせはきっとしているだろう。
そして弟に会って、ちょっと驚いたんだろう。
せめて……、せめて俺が頼まれたことだけは、守らないと。
俺は、この中では大人な筈なのに、誰よりも動けない。
歯がゆくて、悔しい。
目の前にいるのに、自由に動き回れない。
しかし、いくらそう思っても何も変わらない。
それこそ彼女自身の問題だから。
できることは、彼女の、彼女らのサポートぐらいだ。
「俺も、若ければ……」
呟きは、すぐに風にさらわれ消えていった。

          祐貴side end