目の前はちゃんと見えているのに、まばたきする度にちらつくあの光景。
「けれど、無駄なことをするならば、私はあなたを潰します」
久しぶりに殺気を全力で出す。
それで確信した。
この人は、裏にいる人だと。
一般人が耐えられるはずがない。
「……失礼しました」
私は下に落ちた本を拾わずに、小さく呟き図書室を出た。
…関わるなって言ったのに。
昨日の言葉はちゃんと先生に向けても当てはまるものだったのに。
廊下はやっぱり風通しが良く、髪が風に遊ばれる。