それにつられて私まで自然と表情がこわばる。
もう誇ることのできない、自分の名前を呼ばれた。
ただそれだけのことなのに、滑稽にも動揺、狼狽してしまう。
情けない。
そうは思っても、これだけはどうにもならない。
否定すればきっと、そうですかと、納得してくれる。
いや、それも上辺だけだろうが。
でも安易に否定できるほど安っぽい名ではない。
だからこそ、こうして沈黙が続いているわけで。
本を拾おうとすら思えずにいる。