ジメジメした、

空気の重い、あの季節は、

なんか一気に過ぎ去ったような。

そう感じさせる、夏の陽気。

暑すぎる、7月が始まった。


あたしたちは相変わらず、

何日かに1度、言葉を交わす日々。

話せた日は、嬉しくて。

止めなきゃいけない。

そんなことは、わかってる。

でも、そんなこと、

できるはずがない。

こうした葛藤を繰り返す日々が続いた。



もう、夏休み手前のある日。

あたしはいつものように絵を描いていた

久し振りに教室の、

もう一度、あの席を、描いた。

鉛筆が震える、

あの日と同じように。

それでも、描き続ける、

あの日のリプレイをしているようだ。

ーートントントンーー

どこからか、足音が聞こえる。

誰だろう。

吹奏楽部の奏でている音は、

懐かしい、あたしの大好きなラブソング

ーートントントンーー

ふわっ


あ、この感じ。

きっと、彼だ。

あたしの体が反応した。

と同時に、

教室のドアが音を立てた。