**約束の花**



「相変わらず舞からはすずらんのいい匂いするなぁ…ずっと嗅いでいたいくらいだわ…」

「みちるちゃんおじさんじゃないんだからさ…」


私は呆れたように言うと、みちるちゃんは少し真剣な顔で私に聞く。

あ、本当に少しね、1ミリくらい。


「それで、“約束の男の子”って誰だか思い出したの?」

私は首を横に振って

「ううん…全然思い出せないの。最近、毎日約束した日の夢を見るんだけど…」

「そっかー…」


みちるちゃんは、私の首にかかっているものを指差して言う。


「唯一の手がかりといえば、そのネックレスだけなんでしょ?」

「うん…」


そのネックレスというのは…