最近は笑った顔しか見ていなかった由香里の難しい顔を見て、何だか胸騒ぎがした。
気になった俺は歩く速度を早めて、由香里の後を追った。
そして由香里の入っていった公園が目をやったとき、思いがけない人物たちが目に入る。
何でふたりが?
そう思ったときには、由香里は彼らの元へと駆け寄った。
そして。
俺の親友の頬を思い切り叩く。
後ろ姿しか見えない彼女だけど、かすかに聞こえる声と他の二人の様子から彼女の怒りを感じた。
そしてくるりと方向を変えた由香里が公園の出口、俺の方へと歩いてくる。
近付く彼女の瞳が濡れているのを見たとき。
彼女の中に住み着く『誰か』の正体を悟ってしまったんだ。

