半ば強引に浜口っちゃんとの約束をこじつけた俺。


週番の仕事を急いで終え、待ち合わせのバス停へと急ぐ。


そんな俺の視界に写ったのは、彼女と桜高の男子生徒。


かすかに聞こえる会話で、そいつが彼女にフラれた様子が伺えた。


やっぱり高校でも人気者なんだな、なんて思いながら。


ふと思い出す中学時代の体育館裏。


いつも凛として男の告白を断っていた彼女の綺麗な横顔。


思わず緩む頬を引き締め直し、また彼女たちの様子を伺う俺。


しかし何だか彼女の様子がおかしくて、何だか振っているはずの彼女が苦しそうで。


俺は思わず立ち止まる。


やがて男が立ち去り、彼女は呆然とベンチに座ったまま。


そんな彼女は俺が近づき始めても俺の存在に気づく様子はなかった。