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「ねぇねぇ由香里!!!」


少し離れたところで話していた千夏と明美が駆け寄ってくる。


「昨日の…山下くんって人のことどう思う?」


「…え?」


全く予想もしていなかったあたしは、たぶんすごく間抜けな表情。


一方の千夏と明美は、何やら企んでいるようににやけている。


「いや、何か昨日の二人いい感じにお似合いに見えたからさ」


「そうそう!どう?」


二人はかなり盛り上がった様子で。


あたしはただうろたえるだけ。


「どうって言われても…」


あたしが答えに困っていると、ふと千夏の表情が曇る。


「前から思ってたんだけどさ」


それに釣られるかのように明美も真剣な表情で千夏を見つめる。


「由香里って誰か忘れられない人でもいるの?」