「悠斗はまだ、何もしてないでしょ?」


頷いて素直に認めた。


「信じてもらえなくなったなら、また信じてもらえばいい」


千夏ちゃんは、はっきりそう言った。


「ぼろぼろになるまで、追い掛けてみればいいじゃん」


千夏ちゃんが泣いているのは、俺を思ってなのか。


振られた相手に恋愛のアドバイスをしているからなのか。


それはどっちなのか分からない。


けど、千夏ちゃんの言っていることが間違っていないことは分かった気がした。


「それで駄目ならあたしの所にまた戻ってくればいいじゃん?」


涙を拭って、笑顔でそう言う。


「ほら!!分かったならもうそんな顔しないの!!」


そう言って、俺の背中をばんと叩く。


「あたしは、悠斗の元気で明るい所に惚れたんだからね!!」