「ナツ!!!」 ナツに駆け寄った僕が見たのは あまりにも物々しい“色”の混沌だった。 バッグから無造作に飛び出した結婚式場の水色のパンフレット。 ナツが気に入っていた黄色のパンプスの片一方。 婚約指輪の銀色の輝き。 ナツの全ての色が 赤色に染められて蝕まれていくように見えた。 そして 抱きかかえたナツの体は 恐ろしく生温かく まだかすかに動く胸が 必死に赤色の飽食に抗っているように見えた。