周りを見渡して、1-3のメンバーを確認していると、廊下側の最後列にひときわ優しそうな顔をしている人がいた。
実咲のモロタイプ。
仲良くなれたらいいな。



手紙が配られて、前のひとが手紙を渡すために振り返った。
あ。うそ。今朝の電車の人じゃん。
実咲は数秒間顔を見ていた。
『あの、ごめん、手紙まわして。俺の顔になんかついてる?』
ハッとして実咲は我に返った。
『あ、ごめんなさい。その、あれ、しっ、知ってる人にすごく似てて...』
とっさの言い訳。頭の中は"焦"でいっぱいだった。
『そーなんだ。でも別に謝らなくてもいいよ。』

すごくいい人だった。今朝向かいに私がいたことは覚えてないみたい。

『名前は?』
『え?えーっと、み、実咲です。』
『敬語使わなくてもいいよ。俺は小早川陽。よろしく、名前で呼んで。』
『わ、分かった。よ...陽、よろしくね。』