ないしょの贈り物

パパのスーツからタバコの苦い香りが鼻を掠めた。

それから……。

おばあちゃん家でよく香るお線香の香りがした。


この匂いは嫌い。胸が苦しくなるから……


パパの腕の中でパパが泣き止むまであたしは待った。
暫らくしてパパはゆっくりと腕を解き、涙で腫れた赤い目であたしを見据えた。

「お腹痛くないよ……大丈夫だよ、ありがとう、風花。」
泣き腫らした目で優しく笑うパパにあたしは何も言えなくなってしまう。

「……それと、ママはねぇ……」