kissをする【完】

彼がまた入ってきたのは出て行ってから20分程たってからだった。


「あんたの彼氏がきたぞ。立てっ!」

キョウヤ、という彼は、私の腕を掴み無理やり立たせた。


痛くしないよう気をつけているのか、痛くはなかった。



少し歩き、彼は一つの扉の前で止まった。


その扉を開けて中に入る。


そこには、妖しく笑いながら戦う、ダイチがいた。


ダイチの周りの床には大量の血と人が倒れている。

「だ、いち?」

唇から掠れた声が出た。


聞こえてないのか、ダイチは私を見ていない。

そのことが無性に……悲しく、苦しかった。