そして、母は、ここで冗談のような事を言った。


『ママはね、パパと結婚してないのよ。パパは、ヤクザだったのよ。だから、あなたの将来のために、って。ママはね、パパと結婚したかったけど、パパは猛反対!』

と、寂しく言って、言葉を続けた。

『でも、パパは気付いてたんだと思うわ。自分の命が残り少ないことに。だから、私との結婚をしなかったんだと、いうことも理由の一つだと、後から気付いたわ』

母は、また、寂しそうに……『フフフッ』っと、笑った。

そして、また、話し出した。

『今度は、パパの秘密を言うわね?パパは、イギリス人とのハーフ。だから、あなたのお祖父様はイギリス人よ。で、あなたはクオーター。その、お祖父様は、マフィアのボスよ。それも、世界的有名な、ね。知ってる?フェルトーマファミリーって。パパはそこの次期ボスだった。ママは、パパが仕事で此処に来たときに会ったの。ママが18才。高校の修学旅行の時だったわ。』



ママは、そう言って、昔話を始めた。