kissをする【完】

何分そうしていたのだろうか。




「リア?」


ダイキの声が聞こえ、後ろを振り返った。


「やっぱり、リアだ。どうしたの?泣いてるの?」

そう、口にした彼は、

私の前まできて、舌で涙を舐めてきた。

びっくりして、涙が引っ込んでいた。

「何で泣いてたの?」


──そんな優しい顔で見つめないで。私はあなたを、本当のあなたを想ってはいない……のだから。知らないあなたは、私が知りたいと言えば、答えてくれるだろうか?


そんな事を考えていると、彼はまた、聞いてきた。

「俺に言えないこと?俺が嫌いだから?」

「そんなことない!」

とっさに大きな声を出した私にダイキは、驚いた顔をしたが、また、優しく聞いてきた。

「ねぇ、リアからみる俺って、どんな?」

「私からみる、ダイチ?」

「そそっ」

そして、彼はまた、ニカっと笑った。

「ダイチはね?強くて、格好良くて、優しくて、……───────」

そう、ダイチは、強かった。私を助けてくれるくらい。

そして、格好良かった。いつもいつも、弱い私とつき合って、話し相手になってくれる。そんな、懐が深くて、優しい。


泣けてきた。私は、ダイチを見ていないわけじゃないのかもって、わかって。


ダイチは私の思いを汲み取り、話し出した。