kissをする【完】

只の幻聴だと、わかっていたが、それでも呼んだ。


───ダイチ!!!

ポスッ

シトラスの香りに包まれた。

「だ、いち?」

「そだよ~」

「なんで、……いるの?」

「んーー?」

ダイチは、答えてくれない。

ダイチに抱きしめられたまま、周りを見渡すと、マッチョと短髪が倒れていた。

いつの間にか、車もなかった。

「ダイチ?」

「ん?」

もう一回呼んだが、やはり、返事しか返ってこない。

しばらくそうしていてが、だんだん恥ずかしくなってきた!

今の私の顔は、真っ赤だろう。

それも、ここは、公園前。辺りは暗くなっている。

「ダイチ?離れましょう!恥ずかしいですし……」

「恥ずかしい?」

ダイチの意地悪な声が聞こえた。

「当たり前だよ…」

ぼそぼそと返事をする私。

「そか…!んじゃあ、帰るか!」

「はい!!」