君の恋の罠に落ちていく









「今日は1人なの?めずらしいね」




上から聞き覚えのある爽やかな声が降ってきた。



「なんだ、七瀬か。びっくりしたー」




下から顔を見上げる私の隣に、ジュース片手に座り込んだ。



「寂しそうにしてるから声かけたんだけどな…。何か悩み事でもある?良かったら僕が聞いてあげるよ。」



そう言いながら私の手を両手で包み込む


キラキラと王子様のような表情と声




…………



………………これは…




「…ねぇ、なんで猫被ってんの…
不気味なんだけど……。」




明らかに普段の〝作ってる〟七瀬




「…不気味って何だよ。失礼だぞ、他の女子に謝れ。」



低い声の七瀬が戻った。




「世の中の女子はそんなのが良いんだもんねー
私には悪魔にしか見えない。」



「…あのなぁ……。お前と俺そんなに変わんねぇからな。」



「えーやだー、一緒にす・ん・な(棒)」





しばらく茶番が続き、沈黙となった。