いつも通りの朝
いつも通りに家を出る
いつも通りに佳山が待って………
「あ…そーいえば今日は来ないのか…」
ていうか、いっつも勝手にあっちが迎えに来てるだけだったし
今日だけ佳山は詩乃の物…だっけ?
詩乃らしいなぁ
佳山がいないんだったらもっとゆっくり準備すれば良かった
そんな事を思いながらゆっくりと歩き始めた
校門を通るとたくさんの生徒が登校してきているのが分かる
その中で一際目立つ生徒がいた
自然と周りの人は立ち止まり道を開け、ざわついている
佳山と詩乃だ
詩乃は佳山の腕をしっかり組んでいる
詩乃は私の前ではキャピキャピとはしゃぐおてんば娘だが、普通にしていると大人っぽくおしとやかな雰囲気をまとっている
セミロングでヘアアレンジを加えている私とは違い、サラサラとしたロングヘアーが風になびく。
その隣を歩く佳山は相変わらずのモテラン1位という感じ。
その2人を包む雰囲気に思わず見とれ、道を開けてしまうだろう
…凄くもやもやする
本当なら私があそこにいるはずなのに
「なんか…お似合いだよね」
どこからか聞こえたこの声
心がズキッとした
「あーもう!!めんどくさい!
…私には関係ないんだから……」