かりんがいなくなり、2人だけになった佳山と詩乃。
「ったく…なんだよあいつ。
あんな笑顔で普通言わなくてもいいだろ…」
はぁーーーっとため息をつきながらしゃがみこむ佳山。
「あれ?もしかして司君気づいてない?」
その様子を見た詩乃は、後ろに手を組みながら不思議だというような表情をした。
下を向いていた頭が上に上がった。
「え?何が?」
「あれー、そっかー。
かりんの本性見破いた司君なら分かってるんだと思ってたけど…
それくらいかりんも上手くなったって事かぁ」
しみじみと何かに浸る詩乃を見てウズウズし出す佳山。
「え…と……つまり…どういうこと?」
「ヒント!ずっとかりんが笑顔だったよね?
…ということは?」
「………!…猫被ってた?」
「そう!猫被ってたって事は本性を隠してる。
つまり、さっきかりんが言ってたことは嘘になるよね?」
なるほどという感情とは反対にまた疑問が生まれた佳山。
「なんでかりんは嘘ついたんだ…?」
「ふふふ。男の子には難しいか。
まー、司君に一つ言えることは…
結構良いところまでいってるよ♡
てこと!」