「私的には写真ゲットして司君譲った方が良いと思うんだけどな~。
だってさ
かりんと司君は(偽仮)カップルでかりんは司君のこと好きではないんでしょ?
じゃあ良くない?
好きじゃない男の子を貸すだけで写真が戻ってくるんだから。」
悩んでいる私に、最後の追い打ちをかけるように詩乃が言う。
そうだ
別に私は佳山のこと好きじゃないじゃん
なんでこんなに迷ってるんだろう
そう、答えは簡単だったはず
目の端で佳山の顔が少し暗くなったのは
気のせいだよね
「分かった。
詩乃に1日佳山を貸すね。」
ぱぁぁぁぁぁぁと明るくなる詩乃に対し
グリンッと顔をこっちに向ける佳山。
「はぁっ!?お前まじで言ってる!?」
「いや、マジじゃなかったら何なの(笑)
そもそも貸すって表現おかしいな
初めから私は佳山の物でもないし、佳山は私の物でもなかったもんね」
動揺する佳山を少し笑い話のように笑顔で返す。
「さっすが!かりんは話が分かるね!
じゃあ明日は1日司君は私の物ね!」
「はいはい。
佳山、写真のために頑張ってよねー」
佳山の意思を無視して話を進める私たち。
「じゃ、私はそろそろ帰るね。
あとは2人で明日の話とかしたら?
じゃあね。」
なぜか私は少しでも早くその場を立ち去りたかった。
心がもやもやするから。

