君の恋の罠に落ちていく





「花梨やっぱり
かぁぁぁわいぃぃ〜〜〜〜っ♡♡」



「そっちの方こそ可愛いっ!」




舞台裏で衣装とセットをし終えた
役者たちが集まる。




「あ、男子の方も準備出来たみたい!」




誰かがそう言い、ゆっくり開くドアの
方を向いていると七瀬が出てきた。




「七瀬君もかっこいいねっ」


「間宮も似合ってるね」





にこっとお互い素を隠して褒め合う。

一応猫被ってるけど本当に
似合ってるしかっこいいって思ってるからね?








本番まで一分をきった。




ドキドキドキドキドキドキ



ヤバイかも…緊張してきた……



舞台の表をチラッとみると
たくさんの観客。
みんなワイワイしながら待っている。



握る手が一段と強くなる。





ポンポン



「!?」



誰かが頭の上をポンポンと撫でる。




朝もこんなことされたような…



バッと見ると七瀬。


「大丈夫か?リラックスしろよ」


「ん、大丈夫」




この手…朝も同じで安心するなぁ…。






ブーーーーーーーーーーーーー



体育館に響き渡る開演のブザー。

シンと静かになり緊張感がはしる。





さぁ、見せてあげようじゃないの

私の演技に腰抜かさないでよねっ!





一歩一歩踏みしめながら舞台に上がる…