君の恋の罠に落ちていく



「あ、そういえばかりんって猫被ってる理由って何だったわけ?」




思い出したかのように手をポンと叩く。

あーそういえば前に猫被りがどうのこうのって言ってたな…




「別に深い意味なんか無いよ?」


「ウソつけ。気づいてないかもしれないけど今のかりんの顔、素じゃないし。」




アハッと笑う私を簡単にみやぶく。

やっぱ分かっちゃうんだな…

そう、私の猫被りの理由は単純な理由じゃない。




「別に話したくないんならいいけどさ」



黙っている私に気を使ってペットボトルのキャップを開けて水を飲む七瀬。

七瀬になら…いいかな……?




「私が素を見せなくなったのはね…」



ゆっくりと話し始めた。








私が中1の時に彼氏ができたの。


「俺…間宮のこと一目惚れなんだ…
よかったら付き合ってくれないかな///」



恥ずかしそうに言う彼に私もちょっとひかれたんだと思う。
その時はまだまだ子供だったから何も考えなかった。



「わっ、私でよければ…お願いします///」



ヨッシャって小さくガッツポーズをする彼にキュンってきたの。
あぁ…これからもっと彼のこと好きになってくんだなって。


毎日一緒にいて、デートもして本当に幸せだった。

好きだよ、
愛してる、
一生かりんから離れない、
かりん意外目に入らない、
って
いつも言われて。
お互い愛しあってて夢なんじゃないかって思うほど楽しくて…

夢だったら覚めないで欲しいって願ってた。