君の恋の罠に落ちていく








「起立!例!さようならー」

「「さようならー」」




号令がかかりザワつく教室。


すると同時に桂山の周りに行く女子達。





「司君一緒に帰ろ〜よ〜」





そんな言葉を無視し、桂山はこっちに近づいてくる。




「帰るぞ」

「!?」




はぁっ!?
何言ってんのコイツ。
朝もわけ分からない行動勝手にとるしさぁっ!
でも声は小さめにして言ってくれたからちょっとは気にかけてくれてんのかな?




「なんで一緒に帰らなきゃならないのっ!」




一応小さめの声で言う。



「別にいいじゃん。彼氏なんだし、朝助けてやったじゃん」



「いや!あれは、あんたが勝手に手つないで皆に疑われてあんたが勝手にに誤解を解いたんじゃん!」





……まぁ、ちょっとは感謝してるけど…さ……。





「じゃあ、
間宮かりんは桂山司と付き合ってます。おまけに、猫被ってみんなの事だましてますよ
って言おうか?」



足を組んでスマホをこっちに向ける
そこにはあの時の映像。



「あー!分かった分かった!!
でも今日は無理。演技に誘われてるから。」


「は?演技って…いつもやってるじゃん」



スマホに目をやっていた桂山はスマホを閉じ、こっちを見る。



「うるさい。そっちじゃなくて演劇部の演技!
友達の代役でヒロイン役やってんの。ほら、文化祭もうすぐでしょ?
演劇部のモテラン(モテランキング)2位の人に二人で練習しようって言われてんの。
一応その人と役では、ヒロインの好きな人だから。」



桂山はいきなり動きが止まり




「モテラン2位って…相川?」


「?そうだけど…知ってるでしょ?
まぁ、そういうわけだから今日は遅くなるから一緒に帰れないからね」




そういい、カバンを持ち教室を出ようとすると



腕をガシっと掴まれ
またか…という睨んだ目で
後ろを向き桂山を見るといつもとは
違うふざけてる様子もなく
真面目な顔でこっちを見ていた。